2008年08月22日

二酸化炭素は地中に封じ込めてしまえば、OK?

 地球温暖化の原因となる二酸化炭素に代表される温室効果ガスの削減が急務となっています。削減するには、・排出量を減らす ・吸収量を増やす(植林など)というわけですが、もう一つありました。それが「排出したものを封じ込める」です。
 この二酸化炭素を地層の中に封じ込めるCCSという技術の開発が世界各国で進められています。このCCSについてまとめられている記事を見つけたので、辞書的にピックアップしておきたいと思います。

 CCSとは、二酸化炭素回収・地中貯留システムのことで、二酸化炭素(CO2)、回収(Capture)、貯留(Storage)の頭文字をとったものです。つまりは、二酸化炭素を大量に排出する火力発電所や製鉄所から、排出した二酸化炭素を大気中に出す前に回収して、深さ1000m以上の地中に封じ込めてしまおうという技術です。


<参考記事>
【科学】CO2地中に封じ込め…注目集めるCCS 温暖化抑止“切り札”期待
(2008/7/21 産経新聞)

------- 以下、引用 ----------
 「二酸化炭素回収・地中貯留(CCS)システム」が注目を集めている。日本で1500億トン、世界で2兆トンの貯留が可能とされ、北海道洞爺湖サミットの主要8カ国(G8)首脳宣言にも必要性が明記された。温暖化抑止の“切り札”と呼ばれるCCSの概要を紹介しよう。
(中略)
 気体のままのCO2を、圧入井(あつにゅうせい)と呼ばれるパイプで送り込むと、岩石のすき間に入り込んだり、地層水に溶け込むなどして閉じこめられる。
------- 引用おわり ----------

 どうやって地中に封じ込めるかというと、地層の中に気体も液体も通さない泥岩層というものがあり、それが逆お椀型(背斜構造)になっている場所で、その地層の下にCO2を封じ込めてしまおうということのようです。逆さのお椀のなかに収まって地中に上がってこないということですね。詳しくは、こちらで。

地球環境産業技術研究機構:「二酸化炭素地中貯留とは」
http://www.rite.jp/about/index.php

 RITE(地球環境産業技術研究機構)では、現在、新潟県長岡市で実証試験を行っています。すでにノルウェーやカナダなどでは、実用化されているようで、日本でも早急な実用化が望まれているようです。

 しかし、個人的には、この技術に頼るのはあまり賛成ではないです。なぜかというと、
 
  ・そもそも二酸化炭素の排出を減らすことが大事(→火力発電所などは、将来的には再生可能エネルギーに置き換えれば必要なくなる)
  ・二酸化炭素を封じ込められる場所には限界があり、持続可能ではない
  ・万が一、封じ込めた二酸化炭素が漏れ出したら???
  
 というわけです。とはいっても直近の大気中への排出を抑制するには有効な手段のようですので、排出側で最大限削減に努めた結果、どうしても出てしまう分をやむなく封じ込めるという位で使うのが、いいのではないかと思います。


 以下、詳しく知りたい方のために、記事の続きを引用しておきましょう。

------- 以下、引用 ----------
 国内では、地球環境産業技術研究機構(RITE、京都府木津川市)が平成15年7月から新潟県長岡市深沢町岩野原で、地下約1100メートルに、約1万トンのCO2を1年半かけて圧入する実証試験を行った。
 地下約1100メートルに、約1万トンのCO2を1年半かけて圧入する実証試験を行った。
 試験施設の地下約1000メートル付近には、気体や液体を通さない泥岩層(厚さ約140メートル)があり、その下に塩水を含んだ砂岩からなる帯水層(同約60メートル)がある。RITEのCO2貯留研究グループリーダー、村井重夫さんは、「現地はこれら2層がおわんを伏せたような背斜構造になっていて、実証試験に最適だった」と語る。帯水層に気体のまま圧入されたCO2は、地表へ逃げ出そうとしても泥岩に阻まれ、逆おわん形状のため横方向にも広がらないからだ。
 CO2は地中の30度、70気圧以上の環境では、気体・液体両方の特徴を備えた超臨界状態になる。「気体のように広がりやすく、液体のように溶けやすいため、砂岩に無数に空いたミクロの穴に入り込み、塩水にも溶けてしまう」という。
 実証試験では、圧入井から40〜120メートル離れた地点に計3本の観測井を掘って地中のモニタリング調査を行い、CO2の広がり方を解析した。さらに、1000年後の状態のシミュレーションも行い、両者を比較したところ、「1000年たってもほとんど拡散しないことがわかった」。
 日本では背斜構造の地層に、約50億トンを貯留できるとされている。また、残留トラッピングという現象でCO2は砂岩の微細な穴に入り込むと動かないことがわかり、背斜構造でない場所でもCCSが可能なことも分かった。その場合、国内の地中貯留容量は1500億トンにも上る。日本のCO2排出量の100年分強に相当する。
 油田やガス田、炭田にCCSを導入すれば、圧入したCO2に押し出される石油や天然ガス、メタンガスを回収できる利点もある。
 本格導入への課題はコスト。現時点では1トンのCO2を処理するのに約7300円かかる。そのうち約4200円を占める分離回収コストの削減が急務だ。
 分離回収部門を統括するRITEの化学研究グループリーダー、藤岡祐一さんは、「化学吸収法、膜分離法など新技術の開発が進んで、すでに1トン当たり2500円程度に下げられるメドがついた。2020年ごろには1000円ぐらいまで下げるのが目標」と話す。
 世界に目を向けると、ノルウェー、カナダ、オランダなどではすでに商業目的のCCS事業が始まり、それぞれ年間100万トンのCO2を貯留している。藤岡さんは、「日本はまだ実証試験段階で、貯留量も1万トン級と小規模だが、これを早く10万トン超に拡大し事業化を急がなければいけない」と指摘している。
------- 引用おわり ----------


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posted by rido at 19:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | エコ・環境技術 ブックマークに追加する
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