その中で、実は「壁面緑化をするとCO2が増加する」、という結果が出ました。これは、壁面緑化をするには頑丈な土台が必要で、その土台には製造時に多くのエネルギーが必要なステンレスが使用されているということが原因のようです。
また、高反射塗料を屋上に塗った場合は、夏の気温低減効果が高く、冷房使用を大幅に下げられるものの、逆に冬にも熱を反射してしまい、暖房使用が増えてしまうため、結果的に一年間の合計では、何もしない場合に比べ、わずかに電力需要が増えてしまう(冷房の削減分より暖房の増加分のほうが大きい)という結果になっています。これは、建物の用途によって、採用の要否を考え直さなければいけないですね。
【ヒートアイランド対策】LCAで環境負荷高い壁面緑化 年間通じた効果の再考が必要
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20080905/169713/
(2008年9月10日 日経エコロジー)
------- 以下、引用 ------
産業技術総合研究所・社会とLCA研究グループの玄地裕グループ長は、「ヒートアイランド対策といえば夏の効果ばかりが注目され、地球温暖化対策と切り離して論じられているのはおかしい」と感じ、施工面積当たりの年換算CO2排出量を基に、5種類のヒートアイランド対策を比較研究した。
その5種類とは、下のグラフで示した光触媒コーティング、高反射塗料(屋上)、同(側壁)、屋上緑化と壁面緑化だ。研究では、東京都中央区日本橋付近の区画状況と、同じ場所の2002年6月から1年間の実測気温データを用いて評価した。評価では、製造・運用段階と建物の空調使用段階の2パターンで CO2排出増減量を測定し、合計のLCCO2(ライフサイクルCO2)を求めた。

------- 引用終わり ---------
この結果を見るとわかりますが、単純に夏の冷房が減らせる!というだけで、こうしたエコ設備の設置を決めるのではなく、冬場の暖房はどうなるのか?、また、この設備の製造や設置、廃棄時にはどのような環境負荷が出るのか?といったことを総合的に考えて設置しなければいけませんね。
最後に補足ですが、『屋上緑化資材最大手の東邦レオ(大阪市)によれば、「壁面緑化を注文する企業も、環境配慮より宣伝広告としての効果を求めることが多い」という。同社は2階建てなど低い建物ならば、より簡単に取り付けられる、スチール製の土台を使った壁面緑化も販売し始めた。』(同記事より)ということです。環境技術もさらに進歩を続けていくというわけですね。
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